特集:今夏のトレード戦線を振り返る

毎年トレードデッドラインでは大物選手が移籍するなど大きな注目を浴びる。今年は早期のトレードもあったが、今夏の最大の目玉であったマニー・マチャドのドジャース移籍がトレード戦線の口火を切った。

 

そのドジャースはマチャドの他、トレード期限直前にブルージェイズから剛腕リリーフのジョン・アックスフォード、ツインズから強打の二塁手ブライアン・ドージャーの獲得に成功した。ドージャーに関しては16年オフにもドジャースへのトレード移籍話があり、1年半越しの獲得となった。一連の補強で8人の若手選手を手放すなど悲願のワールドシリーズに向け最大限の補強をした形だ。

 

トレード期限目前の最大の衝撃はレイズの大黒柱であるクリス・アーチャーのパイレーツ移籍だ。前日に争奪戦に参戦との報道が出ていたが、移籍するならパドレスとの見方が多かっただけに衝撃は大きい。パイレーツは今年1月にエースであったゲリット・コールをアストロズに放出している。今回、交換要員となったオースティン・メドウズ、タイラー・グラスノーは数年前では球界屈指の有望株であったが、現在少し伸び悩んでいる若手選手だ。また同球団はレンジャーズからリリーフのケオーネ・ケラを獲得している。

 

リリーフ陣に課題があったインディアンスはマイナー屈指の有望株捕手フランシスコ・メヒーアを放出し、パドレスからブラッド・ハンド、アダム・シンバーを獲得した。また外野も故障者が出たことなどもあり、センターを守れるレオニス・マーティンをタイガースから獲得した。トレード期限の少し前まではナショナルズのブライス・ハーパー、ジャイアンツのアンドリュー・マカッチェンらの移籍先候補として同球団の名前が挙がっていただけに中堅レベルのマーティン獲得は少し残念だった。

 

トレード期限が数時間後に迫る中で、ナショナルズのマイク・リゾーGMは「このチームを信じている」と発言しハーパーの放出に踏みとどまった形となった。ドジャース同様開幕前からワールドシリーズ制覇を目標に努力してきたこともあって、オーナー側も簡単には諦めきれない気持ちが強かったと推測できる。

「このチームを信じている」との発言は現状の戦力でも本来の力を発揮すれば十分に戦えるという意味でも捉えることが可能だ。そのためトレード最終日には誰も補強しなかったのだろう。ただ、トレード期限直前にリリーフのブランドン・キンツラーをカブスに放出した。これはクラブハウス内の雰囲気を入れ替えるためにトレードされたとの見方が出ている。またリリーフのショーン・ケリー(防御率3.34)をDFAとした。これもマウンドでの振る舞いが問題視されたとのことだ。

トレード期限後2連勝と順調な滑り出しとなったナショナルズが本来の力を発揮すれば首位のフィリーズ(5.5ゲーム差)を追い抜くことも可能なはずだ。大逆転劇が起きるのか注目だ。

 

他にも多くのトレードの話題があるが、すべてを取り上げるときりがないためこれ以上とする。

【参考資料】

2018年トレード一覧

 

トムベースボール調べとなるが、7月~トレード期限までに計52件ものトレードが成立した。移籍した選手は計134名だった(後日指名選手は含まず)。

 

8月以降もウェーバーを通過すればトレードが可能で、昨シーズンはジャスティン・バーランダー、ジャスティン・アップトン、ジェイ・ブルースなど大物選手が移籍している。今季はブルージェイズの主砲ジョシュ・ドナルドソンが8月中にトレードされる可能性が高い選手として注目を集めると予想されている。(ただ、故障から完全復帰した場合に限る。)