厳しい立場に置かれたジャイアンツ 今オフはチームの転換期か

ジャイアンツは17年オフにレイズからエバン・ロンゴリア、パイレーツからアンドリュー・マカッチェン(現NYY)を獲得するなどスター選手をかき集めたが、今季地区4位(勝率.466)と低迷し、プレーオフ進出は絶望的だ。

昨季に引き続き下位に低迷したとあって、今後のチーム方針が問われることになりそうだ。特に高年俸の選手が期待通りの働きをしていなく、不良債権の懸念が出始めていることもチームにとって悩みの種になりつつある。

 

〇エバン・ロンゴリア(3B・32歳)

今季109試合に出場し、15本塁打 .245/.281/.703。守備指標は0。WAR0.9。

・残り契約内容

19年:1450万ドル

20年:1500万ドル

21年:1850万ドル

22年:1950万ドル

23年:1300万ドル※

※球団側オプション(バイアウト500万ドル)

・レイズが1450万ドル負担

 

打線のパワー不足解消のためレイズから通算261本塁打のロンゴリアを獲得したが、移籍1年目はOPS.703と不発だった。デビューイヤーの2008年から2013年まで毎年OPS .842以上マークしていながら、ここ5年は四球率の低下などもありOSP.800以上をマークしたのは16年のみだ。年齢による衰えが顕著か。現状の成績を見れば、23年の1300万ドルの球団側オプションは行使されない可能性が高い。

 

〇ジェフ・サマージャ(RHP・33歳)

今季10試合(44.2回)に先発し、防御率6.25 30奪三振 26与四球 6被本塁打。

・残り契約内容

19年:1800万ドル

20年:1800万ドル

 

13~17年まで毎シーズン200イニング以上クリアするなど故障とは無縁だったが今季は肩の故障もあり、10試合の登板に留まっている。時期の問題や本調子ではなかった可能性は否定できないが、フォーシームの平均球速が昨季の94.3マイルから91.7マイルまで低下していることは気がかりだ。その他の球種も全体的に低下している。故障から完全復帰することができれば、十分にトレード要員になり得る。ただ、今夏も同球団が放出したい意向を見せたとのことだが高年俸がネックとなっている模様。

 

〇ジョニー・クエイト(RHP・32歳)

今季9試合(53回)に先発し、防御率3.23 38奪三振 13与四球 8被本塁打。

・残り契約内容

19年:2100万ドル

20年:2100万ドル

21年:2100万ドル

22年:2200万ドル※

※球団側オプション(バイアウト500万ドル)

 

今夏にトミー・ジョン手術を受けたため、来季は全休となる可能性がある。20年までは戦力として見込めない状況だ。これは勝負モードの期間が限られているジャイアンツにとってかなり痛手で、再建モードに入ることを決断させる要因にも繋がる可能性がある。無事に20年に復帰したとしても、エースのマディソン・バムガーナーは19年オフにFAとなる予定のためすれ違いになるだろう。

 

〇マーク・マランソン(RHP・33歳)

今季33試合(31.2回)に登板し、防御率2.84 27奪三振 10与四球 1被本塁打。

・残り契約内容

19年:1400万ドル

20年:1400万ドル

 

絶対的守護神として16年オフに4年6200万ドルで加入した。昨季は防御率4.50と期待外れに終わった。今季はまずまずな成績を収めているが、来季から年俸が1400万ドルとなる。オフに放出を試みると予想されるが、残り契約2年2800万ドルがネックとなりトレード合意に至らない可能性が高いだろう。

 

 

投打の軸であるバスター・ポージー、マディソン・バムガーナーも近年故障などもあって、成績が下降気味だ。

ポージーは恐らくキャリアをジャイアンツ一筋で終わらせる可能性があり、また現在の契約も球団側オプションも含め22年まで残っている。ただ、今年のドラフト全体2位で大学生№1捕手のジョーイ・バート(契約金約703万ドル)を指名していることやポージーの過去の怪我などを考慮すると近いうちに完全に一塁手に転向することになると予想される。特に21歳のバートは1A-で13本塁打&OPS.983と最高のスタートを切ったため、強肩強打の将来の正捕手候補として評価が上昇している。メジャー昇格は早くても20年の後半戦か。

 

バムガーナーの来季1200万ドルの球団側オプションが行使されることはほぼ間違いない。ただ、問題は19年オフにFAとなることだ。球団としては3度のワールドチャンピオンに貢献したバムガーナーを簡単には手放したくないとみられる。また契約延長をする可能性もあるがもしその選択肢を選べばさらに再建が遅れ、戦力を整えている間にバムガーナー、ポージーの全盛期が過ぎ去ってしまっている可能性が高い。

 

今夏にはヤンキースなどがバムガーナーのトレードについて問い合わせたとのことだが、トレード市場に売り出すことになれば争奪戦になることが見込まれる。ジョシュ・ドナルドソンのように故障によりトレード価値が暴落するという最悪の事態を避けるためにも、今オフに放出に踏み切ることが将来のチームにとってはプラスだろう。しかし、実際にはオーナー側などの意向によって19年夏まで放出時期がずれ込む可能性がある。

 

本格的に再建モードに突入すればブランドン・ベルト、ブランドン・クロフォード、ジョー・パニック、サム・ダイソン、トニー・ワトソン、ウィル・スミスらもトレード候補になるとみられる。

 

メジャーレベルの選手層の薄さ、マイナー組織の弱体化、総年俸が膨らんでいることなど多くの課題に直面している現在のジャイアンツ。今後大胆な再建に舵を切るのか、それとも最後まで燃え尽きるのかフロントの判断が待たれる。あのフィリーズでも2年連続で下位に低迷したオフには再建モードに入り始めた。